ドローデータへの道のり・2012
2012 / 02 / 02 ( Thu ) 過去にドローデータへの道のりを記事を書きましたが、その後自分のMacとIllustratorを手に入れた事と、ソフトそのもののヴァージョンアップで、私のドローソフトでのイラストの描き方も変って来ました。
そこで今回は、現在の描き方を発表しようと思います。 1.複雑な絵はライブトレースで ![]() 現在、私が使用しているIllustrator CS3には、ライブトレース機能が搭載されています。 これはかつてAdobe社から発売されていたStreamlineと同じ役目を果たします。 まずこのイラストの場合、同人用漫画原稿用紙に黒のカラーインクで線画を描き、600dpiでスキャンした後、Photoshop Elementsでゴミ取り等をして保存します(当然、グレースケール)。 その時はできるだけ緻密に仕上げたかったのですが、本当は350dpi位でも良かったかも知れません。 Illustratorを起動させ、「ファイル」→「配置」で線画を配置させ、ここでまず保存します。 「オブジェクト」→「ライブトレース」→「作成して拡張」で、線画をトレースします。 その時、「作成」だと、線画をオブジェクトとして編集できなくなります。 こうしてできあがったオブジェクトをダイレクト選択ツール等を用いて選択、着色して完成させます。 影はパスファインダを用いるべきですが、ついベースのオブジェクトをナイフツールで切り分け、影の部分を着色・・・、を多用してしまいました。 2.シンプルな絵はペンツールで ![]() 複合機やタブレットのおかげで、この位の小さく、簡潔なイラストなら、ペンツールでトレースできる様になりました。 この場合は、まずPhotoshop Elementsでグレースケール300dpiのファイルを作り、タブレットで下絵を作ります。 新規ファイルを作り、「ファイル」→「配置」で下絵を配置しますが、その際「リンク」と「テンプレート」にチェックを入れると、トレースがし易くなります。 ペントレースの際、私は大体2~3ptでトレースしています。 なおその際顔の中等を除き、描線が閉じる様にすると、パスファインダを使い易くなります。 線を全選択して「パス」→「パスのアウトライン」でオブジェクトに変えたら、目等をロックしてパスファインダの「形状エリアに追加」で結合。 下に新しいレイヤーを作って、コピーしたオブジェクトをペーストして、上のレイヤーをロック後、「複合パス」→「解除」で塗り代を作って、任意の色に置き換えて行きます。 その後、背景等を各ツールで作り、(必要に応じ)文字入れして完成させました。 今回は、ザッと説明しただけですが、またゆっくりメイキングもしようかと思います。 なお最近は、下絵を使って自宅でじっくり作り込めるので今迄よりできる事が増えましたが、まだまだ力不足です。 しかし、我が家ではIllustratorが唯一CMYKを扱える上、仕上がりもスッキリしている事から、更に腕を上げたいと思います。 ![]() ![]() ![]() |
ギザ・ビックリス
2009 / 12 / 15 ( Tue ) |
突然ですが、
2009 / 11 / 22 ( Sun ) |
原稿の保存形式
2008 / 06 / 25 ( Wed ) 同人誌等でデータ入稿する際、大事なのが保存形式です。
ここでは入稿によく使われる保存形式とファイル容量をお伝えします。 まずカラーから。けんてい先生ですね。(350dpi、RGBモード) ![]() kentei.psd:21.6MB kentei.eps(オプション、デフォルトの場合):41.7MB kentei.tif(無圧縮の場合):24.7MB kentei.pdf(JPEG、高画質の場合):13.8MB (※最高画質の時は22.9MB) 次はモノクロ、オリキャラの舞呼(まいこ)さんです。(600dpi、グレイスケール) ![]() mono.psd:1.3MB mono.eps(オプション、デフォルトの場合):4.9MB mono.tif(無圧縮の場合):5MB mono.pdf(JPEG、高画質の場合):1.9MB PSD形式は比較的軽い上に、受け入れ態勢が整って来たので、最近特に本文のデータ入稿によく用いられます。 注意すべきは入稿の際レイヤーはすべて統合し、必要以外のチャンネルも削除する事です。 EPS形式はレイヤーやチャンネルを保持できない事もあって、印刷業界においては最も信頼される保存形式なのですが、容量がとんでもなく重くなる事と、オプションの設定が面倒くさいのが難点です。 私も今回データを取った後、このファイルは即座に削除しました。 TIFF形式も印刷業界では信頼の高い保存形式です。 これの特長は可逆(=JPEGと違い、元の容量に戻せる)圧縮ができる事。 ただこれも、元々のファイルサイズが重いのと、圧縮等の設定が煩わしい為、同人業界等ではPSD形式に押され気味です。 PDF形式はAdodbe Reader(フリー)さえあれば、どのOSでも閲覧できる保存形式です。 そのため電子書籍として活用され、印刷業界へもぼちぼち浸透してきていますが、同人印刷業者ではまだまだの様です。 雑誌の応募規定や同人印刷会社のマニュアル等で、どの形式が使用可能か、またオプションはどうすべきか事前に確認する様にしましょう。 ![]() ![]() ![]() |
モノクロ原稿について・その2
2008 / 06 / 25 ( Wed ) 前回の記事で書き忘れていた事があります。
同じモノクロ2階調でも変換の仕方によっても雰囲気が大分変わってきます。 Photoshopの正規版、Elements共通で使えるのは「誤差拡散法(ディザ)」と「50%を基準に2階調に分ける」、の二つの方法です。 ファイルの容量に差はほとんどありませんが、仕上がりにかなり差が出てきます。 (特にトーンの差は、クリックしてご覧下さい) ![]() 1) 600dpi2階調(ディザ) ![]() 2) 600dpi2階調(50%) 同じ600dpiでも、線は2)の方がクリアに出ています。 但し、トーン(50Lのアミグラデ)は1)の方が無難に再現されている上、グレーのままにしていた所も砂目になったのに対し、2)の方はグレーのままの部分が白く飛んでしまいました。 ![]() 3) 1200dpi2階調(ディザ) ![]() 4) 1200dpi2階調(50%) 1200dpiの場合も、基本的に600dpiとほぼ同じ事が言えます。 ただいずれも600dpiの時よりもずっと綺麗で、特に4)は、グレイ色が白く飛んでしまったものの、描線が美しく再現されています。 また、どちらもトーンが無難に再現されています。 以上の事から、 「誤差拡散法(ディザ)」はトーンジャンプが起きにくく、万一グレーが残っていてもどうにかなりますが、描線をきれいに出したいなら「50%を基準に2階調に分ける」の方が向いていると言えます。 但しその場合は、すべてのグレイ色がトーン変換されているか、事前にしっかり確認する必要があります。 追加情報: 道原かつみ先生のサイト「ねこまたぎくらぶ」等によると、「フィルタ」→「ピクセレート」→「カラーハーフトーン」でトーンを作った場合、どうしてもアンチエイリアスが掛かる為、「50%を基準に2階調に分ける」だとトーンジャンプを起こしやすくなるそうです。 その為、Photoshop正規版の場合はトーン作成は「2階調化」→「ハーフトーン」を選ぶ事を推奨しています。 Elementsの場合はグラデトーンを自作する時にどうしてもカラーハーフトーンを使わなければなりませんが、最終的に2階調化する時に「誤差拡散法(ディザ)」を選んで欲しいとの事です。 また、同人誌の様に600dpiグレースケールでの入稿がOKな場合、変に2階調化しない方が良いでしょう。 (2010.1.14) ![]() ![]() ![]() ![]() |
モノクロ原稿について・その1
2008 / 06 / 25 ( Wed ) 最近は同人誌はもとより、商業誌でもデータ入稿の受け入れ態勢が整いつつあります。
モノクロ原稿の場合、同じ絵柄でも解像度やモードによって、ファイルの容量がかなり変わってきます。 また、それによって使用目的も変わってきます。 今回は縦93mm×横97mmで作成したモノクロのイラストを、投稿等に使用される主なモードと解像度に変換し、比較してみます。 (各々のイラストをクリックすると拡大します) ![]() 1) 350dpiグレースケール:764KB 拡大して見ると線が少しガタガタした感じですが、描線にこだわりが無ければ、ほぼ問題はありません。 最終的には解像度を72dpiに落とす事になるWEBマンガの場合は最適と言えるでしょう。 また、多くの同人誌印刷の会社で受け付けてくれますし、近年、一部の商業誌でもこの形式は解禁されています。 なお、今回は背景のグラデーションを50Lでハーフトーン化していますが、このモードの場合、粗目のトーンを再現する以外は、グレーで仕上げた方が綺麗です。 カラー原稿をモノクロ化した様な画風に向きますが、グレーの分量を減らし、白地とベタでメリハリを出す事で、アナログの延長の様な画風にも使えます。 ![]() 2) 600dpiグレースケール:1.3MB 1)よりも、繊細な表現が可能になります。 その為、アナログの延長の様な画風に向きます。 その上、この中では最もトラブルが起きにくいので、同人誌印刷ではこのモードが主流になりつつあります。 また近年、WEB商業誌に投稿する場合も、これが主流の一つとなっています。 トーン処理してもグレーで塗っても構いませんが、WEBで発表するなら、模様として扱う粗いトーンは別として、基本的にはグレーで仕上げる事をお勧めします。 なお、他の3つのモードよりもファイル容量が重くなるので注意。 ベタやトーンの部分を減らすと、幾分容量を軽く出来ます。 ![]() 3) 600dpi2階調:444KB 同じ600dpiでも、2)に比べ、随分ファイル容量が軽くなっています。 但しグレイ部分が、やや線がガタガタしています。 それでも商業誌印刷の場合はサイズがA4→B5に縮小される上、インキが比較的にじみやすいコミック紙のおかげでかえってアラが目立たなくなる為、商業誌の投稿の場合はこれが推奨形式となっています。 但し山吹あらら先生の著書によると、このモードの場合、50L以上のグラデトーンの部分はグレー部分が飛ぶ事によるトーンジャンプ(=濃度によって規則的な段差ができてしまい、なだらかな表現ができなくなる)が起きてしまうとの事です。 (WEBではわかりにくいのですが) その為できるだけグラデーションは避けるか、市販のデジタルトーン等を使用する方がいいでしょう。 ![]() 4) 1200dpi2階調:1.1MB ディザ方式で変換したせいか、拡大すると描線がややガタガタしますが、やはりきれいです。 またファイル容量も、2)と大差ありません。 この形式は紙の商業誌では無理ですが、同人誌印刷やWEB商業誌の場合は、受け付けてくれる会社が増えています。 アナログ時代から描線とトーンにこだわりのある人達向けの形式と言えます。 但し、作業はどうしてもグレイスケールで行わなければならないので、その間ファイル容量が恐ろしく重くなります。 このモードで作業したい方は、メモリを上限まで積んだ上、できればコミック作成専用のソフトを使った方がいいでしょう。 あと、今回記事を作成していて気が付いたのですが、2階調のファイルは(少なくともPhoshop Elementsでは)「WEB用に保存」ができません。 解像度の関係もあるので、コミック専用ソフトのサーバに上げる以外でWEBマンガに用いるのは避けた方がいいでしょう。 提供:アニメイト通信販売! ![]() ![]() ![]() ![]() |
きつかった・・・
2008 / 05 / 22 ( Thu ) 今日の夕方、季刊「SS」にイラストをネットで投稿しました。
手元に原画のデータはあるのですが、 結果待ちなので、現在ブログにはアップできません。 ちなみに今回は、いつものマンガ系の絵でありながら 我が家で唯一CMYKモードを使えるからと言う事で、 ほとんどIllustratorで作画してしまいました。 背景はフリー素材の写真をテンプレートにして 真面目にペンツールを使用しましたが、 どうも線を閉じられない性分らしく、 複合パスを解除する際、所々空白ができて困りました。 人物の場合は更に痛い事態になりました。 まだペンツールで複雑な事はできない為、 メインのキャラは鉛筆ツールで清書し、 脇役はPhotoshop Elementsで描いた線画を ライブトレースでベクトル化したのですが、 これがアンカーポイントがやたら多くなり過ぎて、 整理するのに時間がかかりました。 また、複合パスを解除して塗りしろを作る方法も、 私の場合は不向きな様です。 あと今回、既にあったオリキャラのストックを リンクして使用したのですが、 EPS形式で別名保存した所、PSD形式では2.5MBだった画像が、 何と13.7MBになってしまいました。 でも、DTPの世界でビットマップ画像の基準はEPS、安全第一です。 こうして丸2日かけて仕上げた画像を 300dpiのJPEGで書き出し、 締め切りの1日前に、無事送付する事ができました。 今後の課題は全部ペンツールで仕上げる事。 それだけで容量が随分減り、描線も美しくなるからです。 |