画材の色名事典(青系統・その84)
2017 / 05 / 14 ( Sun )
ALICE BLUE
アリスブルー(ALICE BLUE)
ネオピコカラー C-259(DL)
この場合のアリスは、第26代アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトの娘、アリス・ルーズベルト・ロングワース(Alice Roosevelt Longworth 1884〜1980)の事。
ルイス・キャロル原作の児童文学のヒロインとは無関係なので注意。
彼女は出産後間もなく生みの母と死別、2歳の頃父が新しい母と再婚するものの実質祖母に育てられた為、かなりのじゃじゃ馬になったと言われています。
1901年、父セオドアが大統領就任すると当時17歳の彼女も公人となりますが、美貌に加え先述の性分が幸いし、たちまち人気者になります。
また、ウーマン・リブの走りとも言える人で、人前で堂々と煙草を吸い物議を醸した事もあります。
(今なら健康面や安全面で問題になっている事でしょう)
1906年にオハイオ州出身の下院議員のニコラス・ロングワースと結婚、政策上対立する事になった父や一族と渡り合う一方で、家庭では意外にも良妻ぶりを発揮したそうです。
夫の死後もワシントンD.C.を拠点にコメンテーターとして活躍、晩年も『ミセスL』の愛称で皆から慕われます。
その彼女が元々大好きな色で、ホワイトハウスで着用したドレスやアクセサリーに頻繁に採用したややくすんだ水色は、「アリスの青」と呼ばれ、たちまち大流行します。
1902年、「アリスの青」はMr.リッド(Mr.Rid)によって一般的な色名として使用される様になり、1934年、B.C.C(英国色彩協会または英国色彩評議会)によって標準色の一色に加えられます。
1990年代後半以降、HTMLカラーネーム147色にも登録され、更に画材の色名にもなります。
なお、ネオピコカラーのそれはHTMLの色より少し濃いめです。

ORION BLUE
オリオンブルー(ORION BLUE)
ネオピコカラー C-255(DL)
この場合のオリオン(Orion)は、冬の星座の代表オリオン座の事。
ギリシャ神話に登場する猟師のオリオンに由来します。
明るい星で形成されており、冬場にはすぐに見つけられます。
赤いα星のベテルギウスは、全天で9番目に明るい1等星。
同じく1等星のおおいぬ座のα星シリウス、こいぬ座のα星プロキオンと共に、冬の大三角を形成します。
青白いβ星のリゲルも1等星で、全天で7番目とベテルギウス以上に明るいです。
なお、オリオン座はα星のペテルギウスが今後100年以内に大爆発するのに伴い、星座の形が崩れると言われています。
緑がかった明るい鮮やかな青は、冬の空に青々と輝くオリオン座の見た目の色をイメージ。
星座が消滅しても、神話の英雄と色名は残るはずです。

COMET BLUE
コメットブルー(COMET BLUE)
ネオピコカラー C-277(DL)
コメット(comet)は彗星(すいせい)の英名。
氷や塵などでできた太陽系小天体の一種で、太陽から離れている時は小惑星とよく似てますが、太陽に近づくと一時的な大気(コマ)と、大気の物質が流出した尾(テイル)を発生させるのが特徴で、日本では箒星(ほうきぼし)とも呼ばれます。
太陽に近づく周期(公転周期)は、彗星によって大きな差があります。
こう言った特徴から長らく不吉の兆候とされ、特に大彗星のハレー彗星やヘール・ボップ彗星等は接近する度に大混乱を引き起こしました。
科学の進歩と共に誤解は解けつつありますが、まだまだ謎が多く、現在も大掛かりな研究が続けられています。
一方、謎の多い点に惹かれてか、小説やマンガ等、様々なコンテンツの題材にされています。
この明るい空色は太陽に近づいて夜空に輝く彗星の(見た目の)色をイメージ。
登場時期は不明ですが、欧米ではウェブの世界等でかなり知られた色名です。

FROSTY BLUE
フロスティブルー(FROSTY BLUE)
ネオピコカラー C-258(DL)
フロスティ(frosty)は、凍る寒さの、霜の降りた、の意味。
転じて、(頭髪が)半分白髪の、冷淡な、等の意味にもなります。
また、炭酸飲料を撹拌しながら凍らせた氷菓もフロスティと言います。
色名は、本来の意味である霜が光線の加減で青白く輝く様子をイメージ。
マーカーの世界では活躍の場が広そうな、ごく淡い水色です。




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アリスブルー追記:
①参照サイト:「アリスブルーのアリスとは」(『ぐらんぴ日記』2009年04月21日記事)
「ぐらんぴ日記」は官能作家・館淳一のブログです。
一部アダルトな内容の記事もあるので閲覧の際は注意。
②一方、小説のオリジナルのアリスの服は、ワンピースが淡い黄色、ベスト(?)と靴下は水色でした。
1911年、愛蔵本刊行の為にモノクロ原画が拡大して描き直され着彩された時、アリスの服は淡い青紫で靴下は縞模様になりました。
これが、現在のアリスの服は青に繋がったと考えられます。
但し、故・熊田千佳慕氏が挿絵を担当したアリスは、何故か淡いピンク色のドレスを着ています。
追加参考文献(サイト):
「アリスの服の色」〜「キャロルに関する雑学帳」より
「プチファーブル 熊田千佳慕展」画録 朝日新聞社

オリオンブルー追記:
ギリシャ神話では猟師オリオンの物語には諸説ありますが、最も知られているエピソードは以下の通りです。
オリオンは猟師としての腕前は確かでしたが、その事を自慢し天狗になっていました。
その為怒ったヘラに派遣されたサソリに刺され、命を落とします。
オリオン座とサソリ座が同じ天空に存在しないのもその為なのだそうです。

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