画材の色名事典(青系統・その29)

PEACOCK BLUE
ピーコックブルー(PEACOCK BLUE)
ホルベイン透明水彩絵具W101 アーチストガッシュG567(以上、HL) 
Dr.マーチン ラディアント52D(BN)、他多数
PEACOCK BLUE2
ZIGアート&グラフィックツイン059(KT) ネオピコカラー C-254(DL)
ピーコック(peacock)は、クジャク(孔雀)の英名。
クジャクは中国以南の東南アジアや南アジアに生息するキジ科の鳥です。
雄は体が青緑~藍で、褐色の尾羽の上にある大きく派手な飾り羽が有名です。
この飾り羽、天敵から逃走する時に役立つ一方で、人間によって工芸品の材料にされます。
一方雌は飾り羽がない代り、羽色は保護色である茶〜褐色です。
主要種は3種で、最も有名なインドクジャクは羽が青藍色で、インドの国鳥に定められています。
中国南部〜インドシナ半島に分布するマクジャクはキジ科最大の鳥で、羽色は光沢のある翠系です。
コンゴ盆地に分布するコンゴクジャクは、厳密には種類の異なる小型のクジャクで、飾り羽がありません。
甲高いその鳴き声は、「キーオゥ、キーオゥ」もしくは「イヤーン、イヤーン」と聞こえるそうです。
色名は和洋共に、雄の体や羽、特に頭部〜首回りの色をイメージしています。
色名(洋名)は、まず1598年に青系統のピーコック(PEACOCK)が登場しましたが、その後1882年にピーコックグリーンも登場、それまでのピーコックはピーコックブルーと名乗る事になりました。
そのためか、画材も色調がバラバラになっています。
なお、画材によっては溶解性バリウム等、有害の顔料を使用しているので取り扱いに注意。

BYZANTINE BLUE
ビザンチンブルー(BYZANTINE BLUE)
ムッシーニ天然樹脂油絵具495(SC)
5~6世紀にローマ帝国が東西に分裂してできた東ローマ帝国は、別名をビザンチン帝国と言います。そこでは現在もロシア等で信仰されている東方正教会等、独自の文化が花開きました。
色名はビザンチン様式の豪華な装飾品や工芸品をイメージしています。

BISFULL BLUE
ビスフルブルー(BISSFUL BLUE)
ツインマーカーPU106 12-49JP(SS)
ビスフル(bissful)は、ネット検索ではよく見かける言葉ですが、いざ訳すとなると、どうしても訳す事ができません。
ただその際、「もしかして"blissful"?」と言う言葉が出てきます。
このblissfull は至福を意味します。
少々くすんでいるものの、明るい空色は洋の東西を問わず好感度の高い色です。
加えてマーカーに付いていた副文は、"soft,easy,non-threatful(柔らかく、優しく、脅迫じみていない)"です。
断言はできませんが、以上の事から本当の色名は”至福の青”ブリスフルブルー(BLISSFUL BLUE)ではないかと思われます。
しかし、謎が全て解明する前に画材の製造終了をもって、色名も姿を消しました。

HYACINTH
ヒヤシンス(HYACINTH)
ネオピコカラー C-269(DL) アクリックガッシュAG051(NK)
ヒヤシンス(ヒアシンスとも; Hyacinth)はユリ科(但し、APG植物分類体系ではヒヤシンス科、又はクサスギカズラ科に分類されます)の球根性多年草。
秋植えの球根で、小学生の頃水栽培をした人も多いのでは無いでしょうか。
水の中で非常に長い根を伸ばし、春先に香りが良い小花を多数咲かせます。
原産は地中海沿岸から中近東辺りで、初めて園芸用に栽培されたのはオスマン帝国だそうです。
16世紀前半にヨーロッパにもたらされ、イタリアで栽培される様になりました。
後の16世紀末にイギリスに伝わり、数百もの品種が作られました。
このイギリス系のヒヤシンスは1863年に日本にも渡来しましたが、何故か20世紀の始め頃にほとんどが衰退してしまいました。
現在、主に栽培されているのはダッチヒヤシンスと言われる品種系統です。
これは地中海の北東部原産ですが、主にオランダで栽培され、品種改良された事からこの名があります。
1本の茎に小さな花を多数付ける、現在知られる姿をしています。
また、ローマンヒヤシンスと呼ばれる変種もありますが、耐寒性があまり無い為、ダッチ程ポピュラーではありません。
花の色は青、紅、白、淡黄色等様々ですが、色名にはやや紫味の強い空色が選ばれています。

HYACINTH BLUE
ヒヤシンスブルー(HYACINTH BLUE)
Dr.マーチンラディアント32C(BN)
ヒヤシンスは単独でも色名として成立しますが、改良により花の色が増えたからか、近年後ろにブルーを付ける事も多いです。
ちなみにこのヒヤシンスの名は、ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスに由来します。
医学の神アポロンと、西風の神ゼビュロスに言い寄られていた彼は、美しいアポロンを選びます。
二人が仲良く円盤投げをするのを見て嫉妬に狂ったゼビュロスが起こした突風で、アポロンが投げた円盤がヒュアキントスの額を直撃してしまいます。
アポロンは必死に治療しますが、ヒュアキントスは助かりませんでした。
この時流れた大量の血から生まれた花がヒアシンスだと言われています。
また、花言葉「悲しみを超えた愛」も、このエピソードに由来します。

PURE(PRIMARY) BLUE
ピュアブルー(PURE BLUE)
アーチストガッシュG571(HL)
濁り気のない純粋な(=pure)青の意味。
実際、鮮やかで濁りの無い、青らしい青です。
かつてはアーチストガッシュの基本の青とみなされ、基本や原色を意味するプライマリー(primary)も併記されていましたが、近年プライマリーシアンが追加され、基本色としては御役御免となりました。
なお、プライマリーシアンと比べると、こちらも方がやや赤味で濃い色をしています。



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白群と水白群は、新しい記事に引っ越しさせました。
また、美青も青系統・その53に引っ越しさせました。

なお、ビザンチンブルーは、ムッシーニ天然樹脂油絵具の一色でした。
訂正しますと共に、お詫び申し上げます。(2013.9.18)

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ひろせみつこ

  • Author:ひろせみつこ
  • 1965年6月26日、兵庫県西宮市出身。大阪府在住。蟹座のB型。
    1999年7月、色彩検定2級取得。
    2001年頃NICに登録したのをきっかけに、素材用のイラストを手掛ける様になる。一時期創作活動を控えるも、2019年に活動を再会、現在に至る。
    PIXTA、TINAMI、pixiv、そしてBehanceに登録。
    2014年2月、「こえだらいずキャラクターデザインコンテスト」優秀賞受賞。
    2020年11月にカワチ画材様の企画3D CANVAS CLOCKを発売。
    2020年11月、ペンネームを広瀬みつことひろせみつこの2つを場面によって使い分ける。
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